11月26日は4年ぶりに、檀信徒様と参拝親睦旅行(日帰り)に行ってきました。
今回は奈良方面、當麻寺(特別拝観)と飛鳥寺を参拝いたしました。
當麻寺のご本尊、曼荼羅(国宝)や弥勒仏坐像(国宝、白鳳時代)、日本最古の仏教寺院、飛鳥寺の本尊、釈迦如来坐像(重要文化財、飛鳥時代の作)など1400年も前からお祀りされている仏さまをお参りさせていただくと、歴史の重みとありがたさを感じずにはいられませんでした。
聖徳太子さま、弘法大師さまなどが、いらっしゃったその場所で同じく合掌している。仏さまを身近に感じられるありがたい時間でした。當麻寺、飛鳥寺ともとても優しい仏さまであると感じました。
日本全国にあるお寺や神社は、昔は天皇家や大名、その地域の著名な方々が先頭をきって護持して、寺社仏閣は守られてきました。皆様が旅行がてらに行かれる本山クラスのお寺も誰かが、信仰の対象としてお参りをし、寄進をされたりして歴史を守っております。お寺はけっして住職の個人の持ち物ではありません。檀信徒を代表して、住職家族が住まさせてもらって守っていますが、あくまでも信仰の対象の建物です。
しかし現代は一部の参拝寺以外は、檀家様の数も減り、ご寄進も集まりにくい時代です。雲晴寺は400年少々のお寺ですが、それでも私で26代目の住職です。里見忠義公の供養塔や宮本武蔵の作庭など、江戸時代から続く歴史を皆様の支えによって守ってきました。伽藍ももちろんですが、当寺の墓地に眠る檀家様や信徒様のご先祖様を守らなければならない使命が住職にはあります。それにはお寺を支えてくださるご縁をいただかなければなりません。それには住職が世の中の人々に寄り添い、お寺がより一層人々の安らぎの場でなければならないと、人は振り向いてくれない。今回の参拝親睦旅行で、あらためて感じました。歴史を守るとはそう言うことなのだと。
雲晴寺が當麻寺や飛鳥寺のように、今後100年、500年と後世へ続いて行くことを心から願ってやみません。
日々のご縁に感謝し、より一層精進してまいります。
雲晴寺 住職 五十川幸導