脚下照顧(きゃっかしょうこ)という禅語ですが、靴を揃えなさいとか、足下に気をつけなさいとかの意味もあります。
でも、もっと大切な意味は、私たちの人生は良いときもあれば、上手くいかないときもある。もうどうしようもなくなって一歩も進めなくなるときもある。気持ちでは先へ進みたいし、駆け抜けたい。しかし、ふと自分を見失って迷子になることもある。そういうときに、一度自分の足下をみてください。ということを伝える言葉です。
富士山に登ろうとするときどうだろう。一歩一歩ゆっくりと踏みしめて頂上を目指して進むしかないのではないだろうか? 高い山ほどゆっくりと時間をかけて登らなければならない。 人生は山登りに似ていると思う。しっかりした計画を立てつつ、登りだしたら、一歩一歩自分の足で登っていく。当たり前だが、自分の人生、他人が登ることはできない。
そういう私も今でこそ僧侶として生きることが私の使命であり天職だと思っていますが、学生時代は随分と人生や生き方に迷い苦しみました。しかし、お寺の息子として生まれ地域や社会の為に貢献することが、私の人生のつとめだと気づいたのです。でも決して回り道をしたとは思っていません。色々壁にぶち当たり経験してきたからこそ、今に活きていると思っています。
あわてなくていい、人と比べなくていいのです。ゆっくりとでもいい自分にしか歩めないこの人生、楽しくそして真剣に生きたいですね。
もし悩まれている方がいるならば、お寺の門をたたいてください。一緒に坐禅をしましょう。語り合いましょう。共に成長していきたいですね。
幸導 合掌