<新命住職あいさつ> 雲晴寺二十六世 五十川幸導
この度、わたくし不肖 五十川幸導が雲晴寺二十六世として就任することになりました。雲晴寺で生をうけ、仏さまの尊いご縁をいただき、得度、立職と僧侶の段階をふみ、大本山總持寺(神奈川県)において修行をしました。平成二十年に、当山に戻り副住職として壇務を勤める中、檀信徒の皆さま、ご寺院の皆さまに多くの事を教えていただきました。
当山が雲晴寺として開かれてから四〇〇年をすぎ、これまで多くの住職がこの雲晴寺を護られてこられ、本日は師匠であります二十五世悟道幸雄大和尚の後を受け、継承することになりましたが、その責任の重たさに誠に身の引き締まる思いであります。私がこれから住職をさせて頂く期間はその年月に比べるとほんの一瞬でありますが、脈々と受け継いでこられた歴代住職の教え、師匠の教えを受け継ぎ、また未来へと継承して参ります。
昨年より新型コロナウイルスにより、世界中で尊い命が失われ、また多くの方が苦しい闘病生活を強いられることとなりました。社会が深い悲しみの中、目に見えない不安に追われることとなり、各地で行事の中止や延期が相次ぎ、當山も感染拡大防止の為、晋山結制式を延期という苦渋の決断をいたしました。数年前より準備を進めてまいり、令和元年の九月に住職任命を受け、後は皆さまへの披露を兼ねて晋山式を迎えるのみの状況での延期という決断は、御随喜いただける御寺院様をはじめ、檀信徒、関係各位の皆さま方には大変ご迷惑をおかけいたしましたこと、あらためましてお詫び申し上げます。
近年、寺離れや仏教離れが叫ばれる中、この度のコロナウイルスにより、さらに社会全体が人と人のつながりが希薄になっていくことが懸念されます。ウイルスの拡大や度重なる自然災害により、世情が不安に包まれている今こそ、人々に寄り添い、支えることが宗教者の勤めだと思います。まだまだ浅学菲才の身ではありますが、これまで以上に檀信徒の皆さまとの縁を深め、より一層の精進に励み、当寺の護持に邁進いたしますので何卒、ご芳情、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
最後になりましたが、晋山式を迎えるにあたり、ご寄進をお願い申し上げました処、快くご協力を頂き誠に有り難うございました。お陰さまをもちまして、仏具の新調や山内の整備が進み、また一歩荘厳な雰囲気のある、皆さまに安らぎを感じていただけるお寺に近づきました。皆さまの多大なるご恩に対し何もできませんが、雲晴寺檀信徒、ご縁のある方々皆さまのご先祖さまへのご供養を晋山式の最後の法要である檀信徒総回向を務めさせていただき、皆さまのご先祖さまの御魂が安らかになり、廻り廻り衆生に回向するよう心より願っております。 合掌